足し算で考える人生
この超・競争資本主義社会の中で、それを無視せずに自由でいるためには起業するしかないと書いた。 中にはそうでない人もいるだろうが、ほとんどの場合はこれが最もシンプルな解決法である。
そこから足し算で人生を考えられるようになる。
さて、人生とは奇妙である。 先の話の続きになるが、家族思いのお父さんAさんは、家族のために毎日仕事を遅くまでがんばります。 愛する家族のため。 妻も子供たちもお父さんが大好きです。 試しに子供たちに、何をしているときが一番すきか?と問うと、家族みんなでいるとき。と答えます。 Aさんは立派な家に住んで、BMWも所有しています。 子供たちに贅沢な服を買い与え、私立学校に通わせます。 ローンは大変だけど、家族のためです。 今度の夏も家族で海外旅行へいくために、今は仕事を必死に頑張っています。 毎晩帰りが遅く、休日出勤もしょっちゅうです。 もちろん自らの意思で。
さて、父親の鏡のようなAさんに対してあなたはどう思っただろうか。
ここに現代の矛盾が全て含まれている。
お父さんは仕事を辞めちまえばいいのさ。 そうすれば毎日家族ともっといられる。 まぁ現実的に仕事を辞めてしまうは難しいとしても、収入が減っても家族との時間を増やした方が良いでしょうということ。 バランス。
いつか気付く。 大切なものははじめから目の前にあった。と。
話を戻そう。 足し算で人生を考えるとは何か? それは、引き算の人生ではないということだ。 シンプルにいうと、不自由だと感じながら生きている人は、人生を引き算で考えている。 例えば、このギターが欲しい、が、高い。 買えないな。 或いは、なんとか買えるな。 でもこれを買えば、アンプまでは買えないな。 若しくは、アンプも買えるが来月かな。といった具合である。
30万の手取りのうち、家のローンがいくらで、食費がいくらで、クルマのローンがいくらで、光熱費がいくらで、云々カンヌン。 だから、えーーっと、5万のギターは買えないけど、2万のならなんとか買える!とか。 ギターは今月、アンプは来月!とか。 これに人生の全てを捧げている。 考え方が全て引き算なのである。 仕方ないし理解できるが、問題なのは、それが全てになることである。 給料という褒美を貰って他人を儲けさせ、引き算でしか人生を考えないようになること。 その縛りの中で全てを考えること、制約の中で生きること。 やがて、それはどんどん縛られ、制約され、窮屈に感じるようになり、それでも理想とは程遠いことを思知ったとき、人は病む。 もっといけば自殺してしまったりする。 本当は何も問題はないし、大切なものははじめから目のまえにあったのに、それすら気づかず人生をリタイアする。 よくよく考えれば奇妙なことである。
軽自動車は高い。 中古車でも高い。 しかし、それはクルマ本来が持つ価値のものではない。 税制上軽自動車は優遇されており、維持費が安いから人気が高まり、需要と供給によって作り出された価格であり、その価格は本来の価値と比例するものではない。 軽自動車とは、いわば下駄である。 ここに優雅さや気持ちよさを求めても無意味である。 なのに人々は維持費が安い軽を求め、そこに少しでも優雅さや気持ちよさを求める。結果的に歪な軽自動車が仕上がり、近頃では200万円なんてのもある。 既に価格的にもエコではない。
例えば、レクサスの最高級セダンLSが1000万円。 なんだか高い軽が200万円。 価格にして約5倍。 しかし、クルマの価値としては5倍で済まないだろう。 10倍以上の差があだろう。 エンジンひとつにしても、サスペンション一つにしても、フレームひとつ、ハンドル一つ、シートひとつ、全ての性能、室内の質感、優雅さ、気持ちよさ、何から何まで軽自動車が勝てる部分はなく、やはりその差は10倍できかない。 20倍は違う。 仮に20倍だとしよう。 すると、極端な話、軽自動車は50万円が適正価格である。
軽自動車は引き算人生の産物である。 引き算人生思考の集大成が中古自動車相場に反映されるのである。 大切な家族がいる。 家族のために貯金をする。 貯金をするために維持費の安い軽自動車にする。 では、その貯金は何の為?いつ何に使うのか? 何かあったときのため。 予定はない? 老後の為? 何もなかったら? いつからが老後? 70歳になったら使うの? でも90歳まで生きるかもしれないから、老後とはもっと先の話? 教えて下さい。 その貯金は一体何のため?
不幸な事故があった。 高速道路でクルマが大破していた。 後で知ったが、家族全員死亡したらしい。 乗っていたのは軽自動車である。 大きくて頑丈なクルマなら命は助かったかもしれない。
少しの貯蓄のための犠牲が取り返しのつかないことになることだってある。 本当に大切なものははじめからあったのに。
つまり、必要なものを自分で揃える、準備できることが重要である。 手取り30万からの引き算ではなく、これが必要であれば、それを準備するのである。 今月、あと10万円足りないのなら、来月に回すのではなく、あと10万円稼ぐということである。 マインドを切り替えるとはそういうことだ。
これが普通になることである。 そうすると、引き算の人生から足し算の人生に変わってくる。 結果的に心を自由にするこができる。 少なくともそれに近づく。
